敵意の先にある想い

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「多分だけどね。今の会社にそんな執着もなさそうだし。さすがにこれだけの事しておいて、俺や諸橋さん達と一緒に働けないだろ」 「でも……」 「莉菜は他人の事心配し過ぎ。自分の事を陥れようとしたヤツがどうなったって、どうでもいいじゃん」 「そうかもしれないけど、どうでも良くはないよ」 今の時代、大学を卒業したからって簡単に就職出来るわけじゃない。 亜美ちゃんと3人でお風呂に入ったとき、結構真面目に仕事の話をお互いした。 私はネイルの仕事の楽しさや、やりがいについて熱弁して、亜美ちゃんもいつか自分の店を持つのが夢だと語っていた。 そして彼女も、経理の仕事についていろいろ詳しく話してくれた。 彼女もまた、私や亜美ちゃん同様、楽しそうに仕事の事を語ってくれた。 そんな彼女が私に復讐した事によって、類達と同じ会社に居づらくなって会社を辞めてしまうんだとしたら。 気にせずにいられるわけがないよ。
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