敵意の先にある想い

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端と端を揃え、まるでホテルのベッドメイキングのように綺麗に布団を敷き終えた類は、布団の中へ早速潜り込んで私を手招きした。 「莉菜、おいで」 「……」 言われた通り、私は布団へと近付き、類が空けてくれた隣のスペースに潜り込んだ。 「もっとこっち近付いて」 類は私の背中に手を回し、ギュッと力強く私の体を抱きしめた。 足と足が、布団の中で絡み合う。 「少し寝た方がいいよ。明日……ていうか、既にもう今日だけど、仕事あるんだし」 「わ、わかってるけど……」 こんな風に抱き締められると、逆にドキドキして寝れない。 くっついた体から、類の鼓動の音が聞こえてくる。 ていう事は、私のこのドキドキも全部類に伝わってるんだよね。 「類もお昼から仕事だもんね。少し寝なくちゃ……」 「俺は寝なくても大丈夫。仕事で徹夜も何度か経験してるし。莉菜が寝るまでちゃんと起きてるから、安心して寝ていいよ」 そんな類の優しさが嬉しいくせに、 「……くっつき過ぎて、逆に寝れない」 そんな可愛くない事しか言えない私。
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