187人が本棚に入れています
本棚に追加
豪のヤツ、莉菜の家に居候し始めてどれくらい経ったと思ってんだよ。
本気で早く出て行ってほしい。
「くっそ。彼女いない男と失恋した男の前で平気でノロケるお前、やっぱすげームカつくわ」
「すみません」
と、軽く諸橋さんに謝ってみる。
すみません、だなんて少しも思っていないけど。
そこから2時間ほど諸橋さんの愚痴や文句を受け止めたところで、俺はまだ飲んでいる2人より先に帰る事にした。
「すみません、そろそろ帰ります。莉菜待たせてるんで」
「何だよ合い鍵使って家入ってんだろ?ならいーじゃん。もう少し付き合えよー」
「いや、早く会いたいんで帰ります。じゃあ宮本さん、諸橋さんの事お願いしますね」
「はいはい。莉菜ちゃんによろしくね」
店を出てすぐに莉菜に電話をかけたけれど、莉菜は電話に出なかった。
メールも届いていない。
昨日電話したときは、仕事終わったら俺の家に行くって言っていたはずなのに。
時計を確認すると、時刻は23時を過ぎていた。
最初のコメントを投稿しよう!