毎日その笑顔が見れるなら

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「何だよ……姉ちゃんと連絡取れないの?」 「今家に帰ってる途中なんだけど、さっきから電話かけても出ないんだよね」 「あぁ、そんなの大丈夫。どうせ姉ちゃん携帯見てないだけだから。帰ったらちゃんと類の家にいるって」 「……それならいいけど」 でもやっぱり、この間の温泉旅行の事があるから心配でたまらない。 しかも今日は、青木瑞穂の退職日。 もし退職した事をいいことに、莉菜にまた危害を加えようとしていたら……。 「お前、姉ちゃんの事心配し過ぎ。子供じゃないんだから、1人で類の家ぐらい行けるだろ」 「普通ならね」 「なぁ類、それよりお前……」 「ごめん。また今度」 マンションのエントランスに足を踏み入れたところで、豪との電話を一方的に切った。 「……いてくれよ、頼むから」 切実に呟きながら、オートロックの前に立ち、部屋の番号と呼び出しのボタンを押した。
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