187人が本棚に入れています
本棚に追加
「それに、ついこの間も危険な目に遭ったわけだし。尚更俺が心配するのはわかってほしい」
真剣にそう伝えると、俺の思いが伝わったのか、莉菜は柔らかく微笑みながら頷いた。
「……うん。ありがとう。類の言う通り、これからはちゃんと電話とかメールとかすぐ気付けるようにするね」
そして何故か莉菜は嬉しそうに、俺の体にぴたりと寄り添ってきた。
莉菜がこんな風に甘えるような仕草を見せてくるなんて、珍しい。
「莉菜?どうしたの?」
「こんな事言ったら不謹慎だと思われるかもしれないけどね。……心配されるって、嬉しい事なんだなぁと思って」
「……」
「自分の事、ここまで想ってくれる人がいるって、奇跡だよね」
莉菜の事を想う気持ちなら、世界中の誰にも負けない自信はある。
多分莉菜は、一生俺の想いには追いつけないだろう。
例え追いついたとしても、俺はまたその先を行く。
この想いは、限界を知る事なく増大していく。
最初のコメントを投稿しよう!