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「……じゃあ、莉菜は?」
「え?」
俺は莉菜の体を、すぐ傍のソファーへと押し倒した。
「類、何して……」
「莉菜はどれくらい、俺の事想ってくれてんの?」
俺にあっさりと倒された莉菜の瞳は、真っ直ぐに俺を捉えていた。
いつ見ても、彼女の瞳は澄んでいる。
その瞳に自分が映っている事実でさえ、俺は嬉しくてたまらないのに。
「なかなか、伝わって来ないんだけど」
嘘。
本当は、莉菜の想いはちゃんと伝わっている。
莉菜の俺を見る目が、他の男を見る目と違う事くらいちゃんと気付いてる。
それに莉菜も、以前よりはちゃんと想いを言葉にしてくれるようになった。
俺が「好きだよ」と言えば、「私も、好き」と返してくれる。
今までは、そんな風に返してくれる事で満足していたはずだったのに。
そんなんじゃ、足りなくなってる自分がいる。
もっと、もっと。
俺が重いと感じてしまうくらい、彼女からの言葉が欲しい。
なんて、本気で思ってる俺は相当重いけど。
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