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「……マジで?」
「だって……私も、毎日類の傍にいたいから」
「……」
莉菜はギュッと俺の手を握りしめ、そのまま俺の左手に自分の唇を寄せた。
「私だって……毎日類の顔が見たくて、仕方ないんだよ」
なんて破壊力なんだろう。
莉菜の言葉一つで、簡単に震える俺の心。
素直じゃない莉菜の素直な言葉は、俺にとって果てしなく甘いものだった。
「だから私も、一緒に住みたいと思ったり……してました」
何でここまで言っておいて急に照れるかな。
何か語尾、ゴニョゴニョしておかしい事になってるし。
「莉菜って、小悪魔だよね」
「はい?」
「いや、悪女かな」
「はぁ……?」
俺が喜ぶポイントを全て知り尽くしている気がする。
俺が莉菜を振り回しているように見えて、実際は俺が振り回されていると確信している。
莉菜の発する言葉、表情、行動、仕草。
どれも全て一つも逃さずに脳裏に焼き付けておきたいくらい、愛しくて仕方ない。
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