毎日その笑顔が見れるなら

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「じゃ、ミヤの失恋を祝して乾杯!」 ゴツン、とビールのグラスが3つ重なり音を鳴らす。 そして同時にグビグビと旨そうにビールを俺の隣で飲んでいるのは、諸橋さん。 「祝してって、何だよ」 「え?だってフラれたら慰めろって言ってなかったっけ?」 会社のすぐ傍にある行きつけの居酒屋で、男3人で仕事の後の一杯。 あの忌まわしい温泉旅行から、早くも1ヶ月が経過していた。 今日はただの仕事の後の飲みだと思っていたけど、どうやら諸橋さんの目的はまた別にあったらしい。 「確かに言ったかもしれないけど。お前に慰めてもらっても、そんなに嬉しくないんだよな」 「はぁ?フラれたくせに何言ってんだよ。こうして飲みに付き合ってくれる同僚と後輩なんてなかなかいないぞ。なぁ、椿」 「え?あぁ……まぁ、そうですね。宮本さん、元気出して下さい」 「いや、そもそもあれから結構時間経ったからもう大丈夫なんだけど」 そう。 あの温泉旅行から帰ってきた日。 宮本さんは、微妙な仲だった恋人に自分の想いをしっかりと伝えたらしい。 一生大切にするから、これからもずっと傍にいてほしい……と。
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