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「わかってるよ。そろそろ、話そうと思ってる」
俺を見つめる莉菜の瞳に、迷いはなかった。
「ちょうど今月末、休みの日に豪と日帰りで実家帰ろうと思ってて。お母さんがうるさいんだ。たまには顔見せに帰ってきなさいって」
「そうなんだ」
確かに莉菜がここ最近実家に帰った話は一度も聞いた事がない。
店も忙しいし、今のところ定休日は月曜日しかないから帰りたくても帰れない状況だったんだろう。
「そのときに、類との事話してくる」
「じゃあ俺も一緒に行くよ」
「豪がいるから大丈夫だよ。それに、類がいない方が私も何となく親に話しやすいし」
「……わかった。でも、もし反対されたら教えて。莉菜の親に俺との事認めてもらえるように、そのときは俺がちゃんと話しに行くから」
莉菜と想いが通じ合えた日から、何よりも気がかりだった事。
もし莉菜の親に交際を認めてもらえなかったら、認めてもらえるまで頑張ればいいだけだ。
莉菜との未来のためなら、俺は何だって出来る。
付き合い始めたその日から……いや、それよりももっと前から。
俺は今よりも更にその先の未来を夢見てきたんだから。
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