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「それぐらいちゃんと答えられるようにしておきなさいよ」
案の定、母にたっぷり嫌みを言われてしまった。
そして散々嫌みを言うだけ言った母は、コーヒーを淹れるために立ち上がり、突然核心に触れるような発言をした。
「あら、そういえば類くんも広告関係の会社に勤めてなかった？」
「えっ……」
単純な私は、わかりやすくドキッとしてしまう。
そこですかさず隣の豪が母の発言に同調した。
「そうそう。類もそうなんだよね～」
完全にこの状況を面白がっているのか、ニヤニヤと笑いながら私を見てくる豪。
「もしかして、類くんに紹介してもらったの？新しい恋人」
「いや、そうじゃなくて……」
「でも類くんの紹介なら、私も安心だわ。あの子は豪と同じ歳なのに豪とは比べようもないくらいしっかりしてるし、きっと素敵な人を紹介してくれたんでしょうね」
こうだと思ったら、それが正しいと勘違いして突き進んでしまうのが母、私、豪の3人に共通している悪い癖。
ここでしっかり訂正して、母の暴走を止めないと。
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