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だけど豪は本当に姉の私から見ても、だらしないしデリカシーがないし、無神経だしマメじゃない。
料理も出来なければ、車も持ってない。
多分、貯金もそんなにない。
私の家に居候しているぐらいだし。
愛ちゃんがそんな弟にいつ愛想をつかしてしまうんだろう……と、実は内心ヒヤヒヤしていた。
『不甲斐ない弟だけど、見捨てないであげてね』
なんてお節介な事を、愛ちゃんに懇願した事もある。
それに2人は仲は良いけれどその分ケンカも多かったから、結婚の話になる前に別れてしまうんじゃないかと思ったりもしていた。
だから、余計に嬉しかった。
「豪……あんたなんかと結婚してくれる奇特な子なんて、愛ちゃんしかいないんだからね?愛ちゃんの事一生大切にするんだよ」
「姉ちゃんに言われなくてもわかってるよ」
「でもお母さん、喜ぶだろうなぁ……愛ちゃんの事気に入ってるし」
豪と愛ちゃんの結婚を、母も父も反対するはずがない。
特に母なんて、大喜びする姿が今から簡単に想像出来てしまう。
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