138人が本棚に入れています
本棚に追加
「良い報告？」
「まずは豪の報告なんだけど、ついに愛ちゃんと結婚するんですって」
「そうか……ついに決めたんだな」
父は目尻を下げながら嬉しそうに豪に「おめでとう」と祝福の言葉をかけた。
豪もやっぱり両親に祝福の言葉をもらえた事が嬉しいのか、結婚する事になった経緯を大まかに父に話し始めた。
私はその間、男同士の会話には一切入らず、キッチンの方で野菜をいまだに分けている母の方へと近寄った。
「莉菜、野菜これぐらいで足りる？もう少しいる？」
「これで足りるから大丈夫。ねぇそれより……お父さんに今、私の事も報告した方がいいのかな」
ちゃんと父にも母にも伝える。
そう決めて、今日ここへ来たはずなのに。
父には今日は会えないと思い込んでいたから今日話す事はないんだと勝手に油断しきっていた。
だから、類との交際を伝える事が急に怖くなってきてしまった。
最初のコメントを投稿しよう！