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「だから私は、お母さんに何と言われようと……」
「わかったわ」
……え?
母は深くため息をつきながら、口元を微かに緩めた。
「何拍子抜けした顔してるのよ。私に賛成してほしかったんでしょ?」
「あ、うん、もちろんそうだけど……」
正直、類との交際を理解してもらうために今日ここへ来たけれど、母を今日中に説得するのは無理だと思っていた。
「どうせ反対したって、別れないでしょ?それにもしここで猛反対して類くんと別れる事になったら、あなたまた婚期逃がすじゃない」
「……」
何か賛成してくれる理由が私的にはかなり複雑だけれど……これは一応、喜んでいいのかな?
「お母さん、本当に私が言った事の意味、ちゃんとわかってる?類と私、付き合ってるんだよ。後からやっぱり反対とかナシだからね」
「反対しないわよ。イトコ同士っていうのはかなり引っかかるけど……でも類くん、良い子だし」
ウソみたい。
こんなにもあっさりと母が同意してくれるなんて。
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