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「そっかこれから帰るんだね……車で行くの?仕事で疲れてると思うけど、運転気をつけてね」
「莉菜も、一緒に行かない?」
「……え」
突然の申し出に驚いて、片手に持っていた茄子を床に落としてしまった。
「一緒にって……」
「今から俺の家一緒に行ってほしいんだけど。やっぱり、莉菜も一緒の方が親にも説明しやすいし」
「……」
実家から自分のマンションに帰ってきて、完全に緩んでいた気持ちが急にシャキッとする。
もちろん類の両親とは昔から何度も顔を合わせてきたし、私は自分で言うのもどうかと思うけど気に入られている方だとは思う。
でもそれはイトコとしての私であって、類の恋人としての私ではない。
反対される事はないって類は言ってくれているけど、それでもやっぱりどうしたって緊張してしまう。
「あの、私ちょっと今日は……」
「そういう事だから、1時間以内にそっち迎えに行くから」
「え……」
そこで、通話は切れてしまった。
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