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あの母に限ってこの展開は、正直全くの予想外だ。
「姉ちゃん、良かったじゃん。やっぱ相手の類がちゃんとしたヤツだから、母さんも賛成してくれたんだな」
「そうよ。私、類くんが息子だったら良かったのにってずっと思ってたのよね。ほらあの子、品があるしイケメンでしょ？性格も豪と大違いで優しいし、自慢の息子って感じじゃない？莉菜と結婚したら、周りの友達に自慢出来るわ」
「……自慢しなくていいから」
バカみたいに真面目でお堅い性格の母の口から、『イケメン』なんて言葉が出てきた事にもちょっとした衝撃だ。
でも、意外にも嬉しそうな母の姿を見ていると、私もじわじわと嬉しさが胸に込み上げてきた。
「つーか、母さんそれ酷くない？俺だって十分自慢出来る息子じゃん」
「あんたのどこをどう自慢しろって言うのよ。それより莉菜、類くんの両親はこの事もう知ってるの？」
「あ、まだ。そういえば類も今日仕事の後実家に帰るって言ってたから、今夜報告するのかも」
一応私の両親に報告するまで、類の家族に交際の事を伝えるのは待っててもらったんだ。
類いわく、類の両親が私との交際を反対する事はほぼあり得ないらしい。
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