138人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
「それが私も知らないのよね何があったのか」
「知らないって……お母さん、一度もお父さんに聞いた事ないの?」
「聞いた事ないわ。特に気にならなかったし。それに、面倒な事は避けたいでしょ」
面倒な事は出来るだけ避けたいという母の姿勢には、もの凄く共感出来る。
「それより類くん、昔から莉菜の事好きだったでしょ?まさか大人になって本当に付き合う事になるなんて驚いたわ」
「え?」
「イケメンなのに一途って最高じゃない。でも類くん、本当に莉菜なんかでいいのかしら。あの子ならもっとちゃんとした若い子の方が……」
「ちょっと待って、お母さん」
いくつか、聞き捨てならない言葉があったけれど、その中でも一番引っかかったのは冒頭の言葉だ。
「お母さん、どうして知ってるの?類が昔から私を……」
好きでいてくれた事。
私も豪も知らなかった事を、どうして母が……?
最初のコメントを投稿しよう!