君が隠したSECRET

4/28
前へ
/28ページ
次へ
「……類?」 彼女の声が聞こえただけで、一気に気が抜けた。 こんなに過保護になったらいけないってわかってはいるものの、行動に一切結びつかないから自分でも困っている。 「莉菜……ごめん、何回も電話かけて。……ちゃんと家に帰ったか気になったから」 正直にそう言うと、電話の奥の莉菜は微かに笑った。 「……そんなに過保護にならなくても大丈夫だよ。ごめんね、家帰ってスマホそのまま部屋に放置してご飯食べたりしてたの」 「電話、すぐ気付くようにしてって言ったじゃん」 「うん、そうだよね。……ごめんね」 「……」 いつもの莉菜ならこんな風に素直に謝ったりはしない。 最近の莉菜は相当俺に対しては素直になってきたとは思う。 けど、俺が何かワガママや甘ったれた事を口にすると、莉菜は必ず何か一言返してくる。 素直じゃない一言が、返ってくるはずなのに。 「……莉菜、何かあった?」
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!

139人が本棚に入れています
本棚に追加