何度でも君に恋をする

18/24
前へ
/24ページ
次へ
「それって本当に2人で出した結論?」 「え?」 「だから、その悩みに悩み抜いて出した結論ってヤツ。椿が凄い悩んで別れるって決めた事はわかったけど、じゃあ類は?アイツも、本当にお前と同じ気持ちだったわけ?」 「……っ」 誰にも言えずに、悩んだ。 類と私の血が繋がっているという信じたくない事実を知って。 本当は、類にも言わずに別れようと思っていた。 だってきっと類はそんな事、知りたくないはずだと思ったから。 類にはその事実を知られたくはなかった。 ……でも、あのとき。 実際に、別れ話になったとき。 真実を隠し続ける事は無理だと感じた。 そして真実を話せば、類も必ず別れる事に納得してくれる。 そう、思った。 だけど類には私のように、悩み抜く時間なんてなかった。 私はあの場面で、彼に残酷な真実を伝えた。 類は、あの瞬間、あの場面で、答えを出さなきゃいけなかった。 あのときよりは冷静になった今なら、わかる。 私は類に対して、あまりにも酷な仕打ちをしてしまったんだと。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

154人が本棚に入れています
本棚に追加