何度でも君に恋をする

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「お前も苦しんだと思うけど、お前以上に類は苦しんだだろうな」 「……っ」 そこで私は何も言い返せなくなり、賢は類の話をするのをやめた。 その後は、賢の仕事の愚痴や、私の仕事の話になった。 互いに慰め合いながら、美月が帰ってから二時間ほど経過したところでやっと店を後にした。 「タクシーで送るよ」 「あ……大丈夫。ちょっと、歩いて帰りたい気分だから」 「は?ここから歩いて帰るとかバカだろ。何分かかると思ってんだよ」 「30分くらいで家着くし。たまに私、この辺から歩いて帰ったりしてるんだから大丈夫だって」 「じゃあ一緒に歩いて家まで送って……」 「大丈夫だよ」 優しい賢の申し出を、キッパリと断った。 久し振りに会えて嬉しかったけど、賢にそこまで甘えるわけにはいかない。 これからは、一人で生きていくって決めたんだから。 ここで賢に頼ってしまったら、寂しくなったときにすぐに他人に頼るクセがついてしまいそうだから。 「大丈夫じゃないくせに、お前って本当頑固だよな」 「賢だって頑固じゃん」
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