何度でも君に恋をする

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「椿!こっちこっち!」 「ごめん!待った?」 「椿にしては早かったよ上出来。私終電前に帰らなきゃいけないからさ、どんどん注文しちゃお」 今日は食事というよりも、飲みがメイン。 時刻は21時半。 私の仕事が終わる時間に合わせてもらうと、どうしても21時過ぎからスタートになってしまう。 「何かごめん。いっつもこんな時間から付き合ってもらっちゃって」 「いいんだって。子供達も、パパとお風呂入ってパパと寝るんだって楽しんでるし。それより、来週も莉菜ちゃん遊びに来ないかなって言ってたようちのチビ達」 「……多分、来週もお邪魔すると思う」 美月の旦那さんが、理解ある人で本当に良かった。 普通子供がいる家庭だと、夜遅くに奥さんが出掛けるなんてなかなか難しい事なのかもしれない。 「どう?……ちょっとは類くんの事、忘れられるようになった?」 「……」 オーダーしてすぐにテーブルに届いたピーチサワーに口をつける。 サワーの炭酸が喉を潤していくのを感じながら、私は苦笑するしかなかった。 ……忘れる、なんて無理なんだ、最初から。
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