何度でも君に恋をする-2

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「莉菜の父さんが悪いっていうよりも、結局はうちの両親の問題だったんだよ」 「え……」 「ちょっと長くなるけど、いい?」 それまで玄関で話し続けていた事さえ忘れていた私達は、そこでやっとリビングへと移動した。 「あ……待ってて、今コーヒーでも淹れるから……」 と、すぐにキッチンへと向かおうとした私の体は一瞬で類に引き寄せられて。 ストン、とソファーに座らされた。 すぐ隣には、類が私の手を握りしめたまま、座っている。 「コーヒーなんて今はいいから。とりあえず、話続けていい?」 「……お願いします」 類は、自分の両親から聞いた話と、私の父から聞いた話。 全てを、一つ一つ丁寧に、私にも省略する事なく伝えてくれた。     「結局は、母さんの心が弱かった事が原因なんだと俺は思う」 当時、類のお父さんの仕事が相当忙しかったらしく、家に帰れない事も多々あったらしい。 類のお母さんは専業主婦で、いつも一人で家にいた。
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