何度でも君に恋をする-2

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「この三ヶ月の間で、俺が一番時間を費やした事」 そう言って類は、ソファーの上に置いていたカバンから封筒を一つ取り出した。 「……封筒?」 「中、見てみて」 言われた通りに封筒の中をのぞき込むと、一枚のA4サイズの白い紙が入っていた。 「……これ……」 中に何が記載されているのか。 緊張して、手が震えた。 「それに、DNA鑑定の結果が記載されてる」 「……っ」 DNA鑑定。 私と類に血の繋がりがあるのかを調べるための、唯一の手段。 この手段がある事はもちろん私も知っていた。 だけど、鑑定したって意味がないって思っていた。 類の母親の言葉は、間違っていないんだから。 私の父だって、認めたんだから。 だから今更そんなものに意味はないんだって。 ……勝手に、決めつけていた。
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