何度でも君に恋をする-2

19/24
前へ
/24ページ
次へ
確かに類の言う通りだ。 ムダに振り回されてしまった挙げ句、知りたくなかった事実を知らされてしまった。 私と類に血の繋がりはない。 今までと変わらない、イトコ同士。 でも、私の父と類の母親が過去に過ちを犯した事実は、嘘じゃない。 「母さんも父さんも、もっと早くにDNA鑑定をして調べてくれてれば、こんな事にはならなかったのに。全部、曖昧にしたかったんだろうね。実際に鑑定をして現実を知るのが怖かったんだろうけど」 類の勇気がなければ。 類の行動と決断がなければ。 全てが、間違った方向へと進んでいたんだ。 類の両親も、私の父も。 大きな思い違いをしたまま、だけど誰もハッキリと確認しようとはせず。 そのまま、真実を知らずに。 ただ一人、真実を知ろうとした類の行動が、全てを変えてくれたんだ。 「……父さんと母さんも、泣いてたよ。莉菜みたいに」 「……うん」 犯した罪は消えない。 でも、背負っていた重圧は少しだけ、軽くなったのかもしれない。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加