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「良かったね。俺が、諦めの悪い男で」
「……うん。……本当に、良かった」
「これで莉菜は一生俺から離れられなくなったけど、いいよね?」
そう言って類は、指で私の頬に伝う涙を掬った。
「二度と離さないし、離れないから」
山積みになっている問題なら、沢山ある。
父との確執。
父が犯した過ちを、母は知っているのか。
これから、類の両親とどう接していくか。
互いの親が過去に犯した過ちのせいで、こんなにも振り回されて。
今までのように、何もなかったように接するなんてきっと出来ない。
私は心のどこかできっと軽蔑してしまう。
でも。
今はそんな事よりも、目の前にいる類に触れたくて仕方なかった。
触れてほしかった。
触れた分だけ、愛を伝え合える気がして。
「莉菜」
「何……?」
唇に、耳に、首に。
至る所にキスをしながら、類は私の服に手をかけ一枚ずつ丁寧に服を脱がせていく。
「今日はもう、好きなように抱くから」
「……」
「愛してる」
そして類はその宣言通り、本当に遠慮なく私を抱いた。
激甘なんて通り越してしまう程、甘ったるい夜だった。
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