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「……類、ごめんね」
「何に謝ってるの?」
「……一緒にいれる可能性を諦めて、別れようって言った事」
何度謝っても、後悔が残る。
もちろん、謝る事で罪悪感を打ち消したいわけじゃない。
ただ、申し訳ない気持ちで胸がいっぱいだった。
「本当だよね」
「え……」
「今思えば、相当ムカつくんだけど。莉菜にとって俺の存在なんて、すぐに諦められるようなものだったんだなって」
「……っ、違うよ!そんなんじゃない!」
ベッドに寝そべりながら私の隣で淡々と私を責める類は、余裕の表情で私に聞き返した。
「ふーん。じゃあ、どの辺が違うのか、説明してよ。俺にもちゃんとわかるように」
「……逆だよ。諦めたくても、諦められそうになかったから。だから、結局別れようって言葉だって、ずっと考えてはいたけどなかなか言い出せなくて……」
そこまで口にしたところで、類は私の言葉を遮るかのように深いキスを重ねてきた。
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