何度でも君に恋をする-2

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自分で決めた道。 自分が決めた未来。 なのに、今更後悔して泣こうとするなんて、私は狡い。 「……っ」 必死で涙を堪えた。 美月の前でも賢の前でも泣かなかったんだから、ここで泣きたくはない。 せめて、家に帰るまでは我慢しよう。 家にはもう居候の豪もいない。   誰の目も気にする事なく、泣くんだ。 涙が枯れ果てるくらい泣いて、そして新しいスタートを切るんだ。 どんなに眩しくても、もうあの日々には戻れない。 戻れないなら、進むしかない。 一生立ち止まってるわけにはいかない。 類のマンションから私の自宅マンションまでタクシーは静かに走り続け、タクシーから降りたときにはほとんど抜け殻状態の自分がいた。 必要以上にヒールの音を鳴らし、急いでエントランスのオートロックを抜けてエレベーターで上へと駆け上がる。 ……そして、自宅の扉を開けた瞬間。 それまで堪えていた涙が一気にブワッと溢れ出し、声にならない声と共に激しく零れ落ちていった。 真っ暗な玄関でしゃがみ込み、ひたすら涙を流す。 無力な自分を、悔やみながら。
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