364人が本棚に入れています
本棚に追加
私を見透かすような目が苦手で、何も始まっていない内から、『恋愛対象外』の括りに入れて避けていた。
その括りにさえ入れてしまえば、ラインを越える事はないと思っていた。
だけど類は簡単に、私達の間に引かれていたボーダーラインを越えてきた。
これ以上、踏み込まないで。
そう心の中で呟きながら、最後の恋に私も足を踏み入れていた。
「本気で莉菜の気持ちが変わるだなんて思ってないよ」
「え……」
「ていうか、心変わりなんかさせないから。一生ね」
「……うん」
私よりも年下で。
意地悪で、生意気で、自信家で。
キスが好きで、甘い言葉を平気で口にして、私を一瞬で夢中にさせる人。
私の事を、偽りのない愛で包み込んでくれる人。
私のファーストキスを、奪った人。
最初のコメントを投稿しよう!