エピローグ

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私を見透かすような目が苦手で、何も始まっていない内から、『恋愛対象外』の括りに入れて避けていた。 その括りにさえ入れてしまえば、ラインを越える事はないと思っていた。 だけど類は簡単に、私達の間に引かれていたボーダーラインを越えてきた。 これ以上、踏み込まないで。 そう心の中で呟きながら、最後の恋に私も足を踏み入れていた。 「本気で莉菜の気持ちが変わるだなんて思ってないよ」 「え……」 「ていうか、心変わりなんかさせないから。一生ね」 「……うん」 私よりも年下で。 意地悪で、生意気で、自信家で。 キスが好きで、甘い言葉を平気で口にして、私を一瞬で夢中にさせる人。 私の事を、偽りのない愛で包み込んでくれる人。 私のファーストキスを、奪った人。
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