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一通り、話は終わり。僕は嵐君と別れて上の階へと向かった。
「んー……」
嵐君も王様の血筋なんだなと、改めて思う。意志が、強い。
「伝える、か」
落ち着いて考えてみると、それはすごく怖いことのような気がした。彼との関係は一時的で、不確かなものだから。気持ちを伝えて拒絶されたら、側にいることも叶わなくなる。
まだ、好きだという気持ちしか持っていない状態で。多くを望んでも上手くは行かない気がする。
少しずつ、考えてみよう。
自分がどうしたいのか。彼と、どう付き合っていきたいのか。
王様に従属できる期限は、刻々と終わりに近付いてきているのだから。
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