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そんなこと言われても、と僕は自分の手足に視線を落とす。半ば無理やりバスルームに連れてこられ、後は質問という形を取った、強制の連続で。
「今すぐベッドに行くのと、風呂に入るのとどっちがいい」
「俺に脱がされるか、それとも自分で脱ぐか」
気が付けば、彼と一緒の浴槽に浸かっていた。お湯が溜まるまでの間に全身を洗われて、既にくったりしている。
「来いよ」
彼が艶然と微笑む。僕がそれに応えずにいると、彼は黙って距離を詰めた。緑色のお湯が彼の動きに合わせて波打つ。
「あの、神谷さん……っ」
待ってください、と言おうとして口を開くと。彼は僕を囲い込むように、後ろの壁に手を着いて。
「待たない」
強引に口付けてきた。
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