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さよなら 相坂幸太郎
鈴木とは男同士がそう言う目的で集まる場所で出会った。
場所が場所だけに身体から始まって…
ちゃんと付き合ったのはそれから一年経った頃。
好きで好きで、
ずっと一緒に居たいって思ってたし
自分が人にこんなに尽くせるなんて…知らなかった。
同棲は2年間。
彼は職場までの通勤が大変だからと、
職場の近くへと引っ越しを決めた。
通勤ラッシュにハードな仕事、ストレスが溜まっていくのは解っていたし、応援したかったので俺達は別々の場所で暮らす事を決めた。
引っ越し当日。
俺は車で荷解きの手伝いをしに、
2時間程かけて新たな彼の部屋へ行った。
…今でも鮮明に覚えてる。
部屋に行くと割と片付いてて。
俺の手伝える事は殆ど無く…
誰か居るんだって感じた。
それでも彼が呼んでくれたから、
このまま今日は一緒に居られるのかな…
なんて思ってたけど雰囲気的に、
そうじゃ無いなって解って。
帰り際、後ろから抱きしめられて
「遊びにこいよ。」と言われた。
さよなら、と言われた様で…
帰りの車で俺は号泣した。
そして音信不通。
LINEだけで電話はかけなかったし、
会いにも行かなかった。
当時はまだ好きだったし嫌われたく無かった。
後悔はしてない。
二股だろうが俺には本気の相手だった。
だけど…
もうあんなに好きになれる相手は居ないだろうと思う。
連絡はしないし、待ってもいないのに
消せないアドレス…
「コータ、飲み過ぎ。」
「ん。」
思い出すとつい飲み過ぎてしまう。
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