398人が本棚に入れています
本棚に追加
/135ページ
新人睦月君2 幸太郎
新人睦月はゆとり世代の今時男子ってイメージだったが
それは見た目だけだった。
テキパキとしていて、覚えも早かったし、筋が良い。
あの顔立ちに丁寧な接客、配達先でも好印象、
早くに独り立ち出来そうだ。
研修も一週間が過ぎた頃には、この仕事初めてのハズなのに…側で見ていなくても任せられそうに感じた。
「睦月そう言えば明日から連休希望だったよな?」
「OBで合宿参加すんで…どうしても…」
「へー。スポ根だ?」
「スポ根って…あんま今、使わないっすよ。歳バレますね」
睦月が笑う。
「う、うるせー。……で、何部だったの?」
「バド部です。これでも結構良い成績残したんすょ」
「へぇ。凄いね。で、母校の合宿かあ」
「すんません、三日間、迷惑かけます」
「あ、そうじゃなくて…全然休みは大丈夫だよ」
遊と付き合ってから、人との距離を取る事が少なくなった気がする。
いつもなら自分から質問しないのに…
「相坂さんも明日休みっすよね?もし良かったら今日飲み行きません?」
「え?今日?」
「仕事の事とか、もう少し話し聞きたくて……あ、いきなりでしたよね、もし空いてたらって思っただけなんで」
充分上手くやっていけそうだけど、やっぱり初めての仕事で睦月も色々心配なのかも。
「うん、いーよ」
「まじっすか!?ありがとうございます!」
菊のお店で待ち合わせすることにした。
最初のコメントを投稿しよう!