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2人の関係 睦月純也
「で、辞めるわけ?」
則本さんが俺の隣に座ってきた。
「遊っ、そんな言い方」
「いえ、いーんです」
キツイ言い方の則本さんの言葉が、俺の闘志のスイッチを入れた。
「辞めねーんで」
「なら、後はやる事やるだけじゃん?はいっ!相談終わりー」
「ごめんな、睦月」
「謝んないで下さい、俺がうだうだ考えてばっかで。逆に白黒ばっさり言われてなんかやる気湧いて来ました。
それに……則本さんが言う様に右も左もわからねー初心者に一週間も親切に付き添ってくれた相坂さんに失礼な相談でした」
「そんな事ないよ、何かあれば相談乗るし」
「ありがとうございます」
則本さんを見るとすでにビールを半分空けていた。
「そう言えば2人って名前で呼んでるんですね」
「まーね、そう言う仲だし」
「………??」
「ちょっ、遊、睦月固まっちゃっただろ!それに同じ職場なんだぞ!」
「別に構わないだろ。悪い虫でもつかれちゃ困るしな」
俺を見て言う。
「待って下さい。俺、相坂さんの事そう言う風に見た事ないっす。それに男だし」
言ってからハッとする。2人だって男同士だ。
「あ、すんません。偏見とかないです」
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