こんな怪談

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 どんより曇った夏の夕方……  都心から離れたその一帯は、少し寂しい雰囲気をかもしだしていた。  そんなX町のN団地には、五棟が連立していた。  その入り口から最も遠いE棟にも、独身者は何人か住んでいた。  そんな中の一階の部屋に、独身の恭子は一人いた。  恭子はその日も、五時頃にその部屋を後にした。  N団地の入り口から少し離れたところにバス停がある。  そこから彼女は乗車すると半時間ほど乗って、ある街で下車した。
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