やるか、やられるか

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お弁当は、文句無しに美味しかった 私がお弁当を食べ終わる頃には 彼は全て綺麗に食べ終え、休憩室の一角にある洗い場で保存容器を洗っていて それが 彼を潔癖だとより印象付ける 「遥、後でまた実習室行くだろ?」 ・・・・・呼び捨てに戻ってますけど・・・・? 「・・・・はい、午後からも違うクラスの実習がありますから」 「じゃ、これ返しておいてもらってもいい?」 何処から出したのか綺麗な布巾で拭いた容器を私に差し出す 「あぁ、もちろん。大丈夫です、返しておきますね。」 容器を受け取ると同時に私の食べ終えたばかりの弁当箱を取り上げられる 「え!ちょ、」 「すぐ洗わないと、家までに雑菌増えるから」 ・・・・・・潔癖ーーーー!!!!! 「私、洗いますよ」 急いで立ち上がると 「お前の洗い方だと絶対菌が残ったままだからいい」 ・・・・・・・イチイチ 腹立つ!! やっぱり、こいつ嫌なやつ!!!!!!! イライラしながらも私は持ってきていたお茶を飲んだ 「そういえば、湊先生 いつ授業あるんですか?」 「明日から。今日は学校の中の色んな場所を覚える日。」 ふーん。 この人がみんなの前で授業するなんて、想像できない・・・・・ と、思ったけど さっきの猫仮面を思い出すと あぁ・・・きっと、器用にやってのけるのだろうと 思った
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