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彼はふ、と笑みを浮かべて短く呟いた。
「気持ちよくさせてもらうよ。…別のやり方で」
いきなりがばっ、とわたしを再びベッドに押さえ込み、両脚を大きく拡げさせる。恥ずかしい、と思う間もなくそこに彼の舌を感じて思わず声をあげて仰け反った。
「あっ、あん、だめ…っ」
抑えつける力がすごくてびくともしない。抵抗できずされるがままに彼の舌で責められ続けるけど。
「は…ぁっ、んっ、いやぁ…っ、いい…っ」
彼の荒々しい呼吸を感じて奥がぎゅんとなる。すごく溢れて、ひくひくするのが止められない。…こんな反応。恥ずかしい…。
それに。
「あっ…、そこ、…だ、め。…ん…っ!」
頭の中がすうっと冷たくなり、抑えきれずびくびくっ、と両脚を突っ張らせた。…ああ、もぉ。だから。
…いきなり、責めすぎ…。
「いったか」
上体を起こしてわたしを抱きしめようとする加賀谷さんにわたしは思い切り膨れて文句をつけた。涙が目の端に滲む。
「酷いよ。最初から、あんな。…我慢できない。初めては、一緒にいきたかった…」
彼は我に返ったみたいに恐縮して身を縮めた。
「ごめん。調子、乗りすぎた。…興奮して頭に血が上っちゃって…。今度はもっと、優しく。丁寧にするから」
「うん」
腕を伸ばし、お互いの背中に回してきつく抱きしめ合う。唇を合わせてから甘い声で囁き、頬を押しつける。
「一緒にいこうな」
「ん。…嬉しい」
彼の手がわたしを再び弄り始めるのを感じ、喘ぎながら目を閉じる。あっという間にまた快感が高まって身体がどうしようもなく弾み始めた。
わたしだけ気持ちよくしてもらうんじゃ嫌。加賀谷さんにもわたしで気持ちよくなってほしい。彼の感じる顔が見たい。
「今度は。…ちゃんと、してね。加賀谷さんも」
「するよ。…もう、俺も」
指でそこを蕩かすように柔らかく弄り、中を解す。わたしは自ら脚を開き、腰を弾ませて声を上げた。
「あぁっ、ん…っ」
「限界…、かも。夜里、…していい?」
わたしは欲情で潤んだ目を彼に向けた。必死の声で訴える。
「うん。…はやく、して。もお…、待てない。加賀谷さんの。…ほしい…」
「可愛いな、お前は」
わたしの髪をかきあげて額にキスすると、両手を身体の脇についた。ベッドが重々しくぎし、と鳴る。
「挿れるぞ、夜里」
その台詞が耳に届くのとそこがぐい、と塞がれるのがほぼ同時。わたしは悦びの声をあげ、身体を震わせた。
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