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彼は半端なくがっくりと首を項垂れた。
「終わって最初の言葉がそれか。…もう、今日はいいよ。クラブは休む。後で連絡入れるよ」
「え、いいの」
きょとんとするわたしの首をぐい、と片腕で抱えた。
「あんなとこ行く気するか、こんな日に。…もう仕事になんかなんないよ。お前のことしか考えられる訳ないだろ」
その言葉にきゅん、と胸をときめかせ彼の肩に顔を押しつけるわたしに、彼は吹っ切れたような明るい声で続けて聞かせた。
「これで気が済んだと思うなよ。まだまだ…、こんなもんじゃないんだ。俺の、お前に対する気持ちは。初めて会った時からずっと、壊さないように大切に見守ってきたんだぞ。どんな夜里からも目を逸らさず見続けた。…やっとお前を捕まえたんだ。もうちょっとやそっとじゃ手放す気はないよ」
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