第二部

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「なに?」 『結論:情報管理者含め、対象を排除』 聞こえるやいなや、という速さだ。チェトリは一瞬、外れた意識をガードシステムに向け。 「〈承認:RPG-7〉ファイア」 またも突然現れる、ゲテモノじみた砲身と砲弾。小脇に抱えた大筒を目測で定め、チェトリが剥き出しのロケットを発射した。 着弾、炸裂。いまだ引っ込めていない装甲板を盾に、ぼくとチェトリは爆風をいなす。 続けて。 「君、名前は?」 「な、なま? え、え、ちょ、良く分かりませんが……」 「じゃあナナシで良いや。行くよ、ナナシ」 「え……え!? ちょ、待っ━━」 チェトリはぼくの肩に手を置くと、光の粒子を放出しはじめる。なにか嫌な予感がしたけど、もう遅い。 ぼくの悲鳴を聞くこともなく、景色が激しく流転した。
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