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「あ。もしかして大ちゃん何か誤解してない?」
「…誤解?」
様々な感情でごちゃ混ぜになった俺の顔を穂花が覗き込む。
「私は片目しか見えないけど、だからって何も変わらないんだよ。大ちゃんとおんなじなの」
相変わらず柔らかく微笑みながら話す穂花をまじまじと見る。
こんなにちゃんと顔を見て話したのはいつぶりだろう。
「確かに小さい頃は周りの子に言われたことあるよ?なんかおかしいって。でも今じゃそんなことないしそれに、大ちゃんも普通に接してくれてたでしょ?」
「だってそれは、そんなの知らなかったから…」
「うん、わかってるよ。でもねそれが嬉しかったの」
大ちゃんは意外と鈍感だからねぇ、そう言うと穂花は一人で可笑しそうに笑った。
穂花に鈍感だと言われるのはなんだか釈然としなかったけど、左目が見えないことを告白された今でも穂花の言っていることがよく理解できていないのだから、本当にそうなのかもしれない。
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