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相馬の発情に引きずられて、伊奈はヒートの状態に陥っていた。 「類…!類!」 腰の肉に爪を立て、獣のように腰を振る。 「もっと…、もっとだ…。直己…!」 こちらに向いた相馬は、この世の者とは思えないほどの妖艶さで微笑んだ。 孕ませて欲しいと思っているのが伝わってくる。 孕ませたいと奥を穿つ。 残念ながら相馬はピルを服用しており、まだ自分達は現実的にその望みを叶えることはできない。 運命だなんて言うけれど、ただ子孫を残そうという本能に支配されている気がする。 それでも世界中の人間の中からたった一人、相馬類という人間だけを孕ませたいと狂いそうになるこの気持ち。 「直己…、奥にっ…」 大きく背中をしならせて相馬が腰を高く突き上げた。 「…くっ……」 望み通り相馬の奥へと精を放った。 アルファの放つ精は、ベータやオメガのそれよりかなり多い量を出す。 「ふ…、うう…、類…」 この瞬間だけはいつも切なすぎて泣きたくなる。 泣きたくなるほどの愛おしさを感じる。 愛おしすぎると泣きたくなるもんだよなあ。 伊奈はぼんやりと鈴蘭達の事を思った。
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