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「ん、ふっ──んっ」 獣みたいな噛みつくキスに発情の火はメラメラと炎を大きくしていく。 絡み合う舌と舌に全身の官能が支配されていくのを感じた。 誠悟の舌は鈴蘭の口腔を大きくかき混ぜる。 その滑った生き物のような動きに、鈴蘭の後ろはひくひくと物欲しそうに痙攣した。 「んっ!誠悟っ……」 至近距離で二人の視線が複雑に交差した。 誠悟は少し苦しそうに眉根をよせ鈴蘭を見下ろしている。 「いいよ……。誠悟の好きに動いていいから……」 「鈴蘭……、すごく、甘い……」 誠悟の言葉に自分が今再び甘い香りを放っていることを知る。 それがどんな甘さで強さで誠悟を惹きつけるのかは知らないが、目の前の誠悟は今にも理性を崩壊させそうな上気しきった顔と乱れた呼吸で鈴蘭を見下ろしていた。 誠悟の頭を胸に掻き抱く。 男なのに鈴蘭の胸の小さな粒は、ピンと宙に向けて突き出していた。 そこへ誠悟が激しく吸いついた。 「はっ!ああ、んっ!!」 ギュッと下半身へ向けて官能の管が伝わっていく。 「あっ!ああっ!」 じゅっ、じゅっ、と音を立てて吸われる度、鈴蘭は切なげに腰を揺らした。 コリッと小さなしこりを誠悟の前歯が甘噛みする。 「や、ぁっ……」 鈴蘭は眦に涙を浮かべ誠悟の頭を両腕で抱きしめると、イヤイヤをするように首を振った。 でも全然嫌な訳ではない。 強烈な刺激の逃し方を、そうする以外に知らなかった。
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