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誠悟の瞳は本能と欲望の色を濃くしている。
しかし視線の中にほんの一条、いつも鈴蘭へと向けられる恋する光が射したような気がした。
獣のように──、オメガの発情にあてられたアルファの様子がそう比喩されることがある。
本能に支配されひたすらオメガを求めるアルファはまさに獣のようだという。
でもその中に、相手を恋しい愛しいと思う気持ちがあれば、それは獣のそれとは違うと思う。
狂おしいほどに相手のことを想うがゆえ、獣のように愛されるならば。
その行為はどれだけの幸せをもたらすのだろう。
「んは、あっ!」
腰を激しく打ちつけられ、鈴蘭の喉から歓喜の声が漏れた。
「あんっ!あっ!ああっ!」
肉と肉がぶつかる音、鈴蘭の喘ぎ、誠悟の乱れる息。
脳が茹だるような朦朧とした世界の中で、誠悟から与えられる快感と二人が奏でる音が鈴蘭の興奮を更に煽る。
ひんひん、と泣き声のような狂喜の息を漏らしていると、誠悟の体が背後から覆い被さってきた。
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