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「いやあ……、しかし意外だったなあ」
唇に笑みを乗せ、誠悟の父は改めて鈴蘭を見た。
その顔はオメガへの拒絶も蔑みも感じられない。
「あの、意外って」
「ああ、うん……。気を悪くしないでほしいんだけど、誠悟がオメガの子を選ぶのが意外だったんだ。その、聞いてるかな？うちの事情」
鈴蘭は小さく頷いた。
「お母さんのことなら少し……」
そして誠悟の苦しい胸の内も少しだけ。
でも愛してしまったから、彼をこれ以上苦しめたくない。
「すいませんでした」
鈴蘭は再び謝った。
不思議そうな顔をする誠悟の父親に見送られて、誠悟の自宅を後にする。
もしまた会えるなら、その時は彼に恥じることのない自分になっていよう。
そう誓った。
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