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誠悟の部屋にたどり着くなり、噛みつくようなキスを交わした。下手くそすぎて、互いの歯がガチガチとぶつかる。 「ふ……、う、んっ」 もつれ合いながらもベッドまで進むと、鈴蘭は自ら衣類を脱いだ。誠悟もさっさと身につけている物を全て脱ぎ捨てる。 部屋は藍色に包まれて、窓から入る街灯の灯りが誠悟の肌を青く染めている。七年ぶりに見る誠悟の裸体。大人の男の体だと思った。 誠悟が見ている自分の体も、あの頃とは違っているはずだ。誠悟のように薄く筋肉のついたセクシーな肉体ではない。相変わらず肉の付きにくい貧相な、でも骨格はすでに大人へと成長してしまった体。 我を忘れて裸になったものの、射るような誠悟の視線にさらされて、鈴蘭は思わず身を庇うように腕で隠した。 「なんで隠すの?」 「だって……、見られたくない……。女の子みたいに綺麗な裸じゃあないし……。顔も髪も、昔とは違う……」 突然怖じ気づいた鈴蘭を、誠悟はベッドの上に磔にした。 「恥ずかしがる鈴蘭に、興奮する……」 「あっ……」 予告もなくいきなり胸の粒を歯で挟まれ、背中が撓った。じゅっ、じゅっ、っとわざとのように音をたてながら胸を吸われ、だんだんと羞恥よりも快感が大きくなっていく。
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