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「んっ!んうっ……、せ……ご、つよっ──」
小さな面積で感じるにしては強烈すぎる刺激に、鈴蘭はいやいやをするように首を振った。
「はっ……、はぁっ……!ごめん、鈴蘭!俺、ちっとも上手に出来そうもない」
「え?そんな……。僕だって、僕だってこれが二回目の、その……アレなんだから、上手とか下手とかよくわからないよ……」
「うそ……。実は俺も……。俺も最初で最後に鈴蘭としてから、その、してない……。これが二回目……」
あ然とあっけにとられたような顔で誠悟が真上から見下ろしている。鈴蘭も全く同じような顔でみつめた。
「ふっ、ふふふっ」
「ははっ!」
おかしくて、嬉しくて笑い合う。鈴蘭が誠悟だけを求め続けていたように、誠悟も鈴蘭を忘れずにいてくれた。
「誠悟!嬉しい!大好きだ!」
誠悟の首に腕をまわし引き寄せた。その瞬間、身体の奥で花が開いた。
「んぁっ……!」
じんじんと身体が火照り、受け入れるための場所が潤んでいく。下半身の熱はすっかり天を仰ぎ、物欲しそうに前も後ろもひくついた。
「鈴蘭」
ああ、あの目だ。
鈴蘭の醸し出すフェロモンにあてられた、狂ってしまいそうなアルファの目。理性が吹っ飛んでしまう前に、鈴蘭は誠悟の瞳の奥をのぞき込んだ。
「誠悟、番おう」
お願いではなく、意思確認をする。一生を誠悟にだけ縛られて生きる。その覚悟を伝えた。
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