10

9/10
前へ
/194ページ
次へ
「鈴蘭、好きだ、好きだ……!一生離さない……!もう俺から離れて行かないで……!」 背中から誠悟に抱きしめられ、苦しさと快感と、誠悟への愛しさから涙が溢れた。全てを誠悟に満たされて、この夜が明けなければいいと思う。でも明日の朝が来ても、明後日になっても、これから死ぬまでの永遠を誠悟だけの番として生きていける。 「んっ!あ、はぁっ……!誠悟、誠悟!僕、もう……」 二回目の絶頂を迎えそうになり、鈴蘭は後ろを振り返った。藍色の闇の中でもはっきりわかる。誠悟は涙で瞳を潤ませながら、幸せそうに笑っていた。 キスで唇が塞がれて、鈴蘭の中で誠悟が弾けた。 「誠悟」 向かい合わせになり、そっと誠悟の髪を撫でる。誠悟は甘えるように鈴蘭の首筋に自分の頬を擦り付けた。 「明日は……、ピル、飲まなくても、いい……?」 誠悟の耳元で鈴蘭は恐る恐る尋ねた。確実にヒートした状態でのセックスは高確率で妊娠をもたらす。 「うん……。いいよ。一生大事にするから」 誠悟も鈴蘭の言葉の意味をしっかりと理解しているようだった。少し照れながらそう言って、誠悟は鈴蘭の肩口で深呼吸した。
/194ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1990人が本棚に入れています
本棚に追加