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星崎の仕事のパーティーでもないのに、またあんな恰好をするのは嫌だ。 嫌だけど、それくらいの事で未知の気が済むのなら───。 鈴蘭は少し逡巡した後、首を縦に振った。 「うん…。いいよ」 「本当?絶対だよ?絶対に約束ね」 未知の機嫌は上昇した。 やはりまだ未知は、鈴蘭の事を許すつもりはないらしい。 鈴蘭がドレスを着るのをどれだけ嫌がっていたか知っているのに。 でも最初に未知を傷つけたのは自分。 卑屈すぎると相馬に怒られたけれど、この罪悪感は消える事はないだろう。 贖罪の気持ちを抱え、鈴蘭はクローゼットの中身を思い浮かべていた。
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