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その時、インターフォンの電子音が大きく部屋に響き、手足を押さえつける男達の動きが止まった。 しかし未知は指ひとつ動かさず、ちらりとモニターの方を見ただけだ。 ピンポン、ピンポン、ピンポンと諦めることなく訪問者は電子音を響かせ続けた。 「ああっ!もう!うるさいなあ。ちょっと誰か出てよ」 未知は苛立ちながらソファーへと移動し、どかりと腰を下ろす。 男達の中の一人がモニターを確認し、「あれ?」と小首を傾げた。 知った人物が映っているのか親しい口調で応対している。 「あのさあ、俺らの知りあいが混ざりたいって来てるんだけどいい?」 「知りあい?誰?」 「あ、うん。アルファクラスのやつなんだけど、俺らの遊び場で知り合ったやつなんだ」 「アルファクラス…?まあいいけど…」 未知は訝しげに眉を寄せつつも、訪問者が宴に混ざる事を許可した。 五人が六人に増えるのか───、鈴蘭の意識は朦朧とし始めていた。 諦めの境地でまぶたを閉じ、このまま死んでしまえればいいのに、と思った。 すでに男達の腕は体を押さえつけていなかったが、もう逃げ出す気力がなかった。 指先に何かがあたると思ったら、弾け飛んだ服のボタンだった。 鈴蘭の着ていたシャツは無理やり脱がされた時に破れるような音がしていた。 こんな時なのに、そんな破れた服を着てどうやって帰ればいいのかなんて場違いな心配が頭の中を占めている。
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