第一章  プールの観覧席

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2000年、世間ではmixiというソーシャルネットサービス(SNS)が流行していた。 当時の高校生はmixiを利用していないと友達の輪に入れないというほど、利用者が多かった。 宮越まみは、県内の女子高に通う高校1年生の女子高生。 4月。春から始まった高校生活に胸を躍らせ、クラスメイトの間で話題となっていたmixiの交換が始まった。 mixiとは、今でいうところのtwitterのようなもので、友達同士のタイムラインや日記をのぞき込んだり、他校の生徒と連絡先を交換するために活用されていたSNSだ。 まみは、帰宅するとさっそく携帯をひらき、SNSの画面をみつめるのだ。 そこには、みんなが「帰宅した★」、「実は彼氏できちゃったんだよね?」というプライベートなつぶやきを残して、学校の外でもクラス中がつながっている感覚があった。 そして、そこにはもちろん落とし穴もあるわけで、「え、それ私の元カレじゃん 」というトラブルをまみは嫌というほど見てきた。 当然、他校の生徒も利用しているため、クラスの誰かが誰かのつぶやきをイイネすると、おすすめという形で自分のタイムラインにも流れてくる。 そんなとき、他校の共学高校の男の子のつぶやきがイイネされて、まみのタイムラインに流れてきた。 アカウント名は「RYOU」。 クラスの誰かがイイネして、まみのところにもおすすめ表示されたのだろう。 --------------つぶやき内容--------------- 今日からサッカー部入った!これから頑張る! ------------------------------------------- この人、サッカー部なんだ。 なんとなく、まみは、その人のことをフォローした。 女子高に出会いなんてない!出会える数は限られてる! まみはそう思っていた。
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