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「絵麻さ、私のこと本当に信用してる?」
「え?もちろんしてるよ」
雪ちゃんほど、私が信用している友達なんていないって断言できる。
「じゃあ、どうして何も言ってくれないのよ。……武川さんと何かあったんでしょ」
どうしてその事……。
「私だって、絵麻に何かあったことぐらい、顔見ただけでわかるのよ。いつ話してくれるのかずっと待ってたけど、結局何も話してくれないし」
雪ちゃんの言葉に、自然と目の前が涙で霞んでくる。
「誰にも言いたくないことでも、私には言ってよ。……何年親友やってると思ってんのよ私たち」
親友の優しさに、涙を我慢できるはずがなかった。
私はひと通り泣いたあと、雪ちゃんに陽くんの車内に落ちていた口紅のことを話した。
あと、最近会うのが急激に減ったことも、陽くんの家に呼ばれなくなったことも。
ずっと1人で抱えていた不安を全て話した。
雪ちゃんは、私のつたない話を最初から最後まで黙って聞いてくれた。
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