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「それってもしかして、鳴海さん?」
「……どうして知ってるの?」
雪ちゃんの口から突然鳴海さんの名前が出てきて、私は驚きを隠せなかった。
「うわ、やっぱり当たった。あの人、どういうつもりなんだろ」
「どういうつもりって、どういう事……?」
「実はさ、絵麻に何かあったのは気付いてたけど、本当は何も聞かないつもりでいたのよ。言いたくないことを無理やり言わせるのも嫌だし」
確かに、雪ちゃんがこんなふうに話を聞いてくることなんて今まで1度もなかった。
「でも、今日の朝鳴海さんが受付に来て……ちょっといろいろ言われたのよ」
鳴海さんが雪ちゃんに……?
「ホント口悪いよねあの人。でもいちいち言うことが的を得てたのよね。絵麻、まさか鳴海さんと何かあるわけじゃないよね」
「な、何言ってるの雪ちゃん!何もあるわけないでしょ」
ただ残業帰りにたまたまご飯を食べに行っただけ。
それ以外に私と鳴海さんの間には、本当に何もない。
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